Traditional Crafts
日本の伝統工芸
飛鳥時代より現代に受け継がれた伝統木工技術
「組子」とは、釘を使わずに木を幾何学的な文様に組み付ける木工技術のこと。微小なパーツをひとつひとつ組み上げ描き出された模様は、規則正しい美しさを描き出します。
中でも「大川組子」は、約300年の歴史を誇り、200以上もある伝統的な組方を持ち、より繊細なものとして今日に伝承されています。その繊細な文様から創り出される、光と影の美しさにもご注目ください。
●昭和62年度指定/福岡県知事指定特産工芸品
production:
木下木芸
(福岡県大川市)
年月とともに風合いが増す堅牢な美しさ
盛岡は古くから鉄資源が潤沢で、鋳物産業に適している地域でした。そこに注目した岩手県南部藩が、茶の湯釜を作らせたことが始まりです。その後、献上品としての歴史を重ね、その堅牢な美しさが認められていきました。
南部鉄器は、さびにくく長持ち。さらに熱が均一に伝わり、保温性に優れていることです。鉄器ならではの重量と安定感、ざらりとした独特の風合いも相まって、素朴ながらの美しさも魅力となっています。
●昭和50年指定/通商産業大臣指定伝統的工芸品(現・経済産業大臣指定伝統的工芸品)
production:
及富
(岩手県奥州市)
ロジアソシエイツ
(岩手県奥州市)
薫山工房
(岩手県盛岡市)
時代と共に進化するカット技術
江戸切子は、1834年に金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻したことに始まるとされています。その後、明治時代に英国人の指導を受け、現代に伝わる伝統的ガラス工芸技法が確立されたと言われています。
江戸切子の大きな特徴は、薄いガラスに刻み込まれた正確で細かい文様で、「魚子」「麻の葉」「菊繋ぎ」など、身近なものを図案化したものが多く、「江戸の粋」や「日本の生活文化」を今に伝える工芸品とも言えるでしょう。
●昭和60年指定/東京都伝統工芸品産業
●平成14年指定/通商産業大臣指定伝統的工芸品(現・経済産業大臣指定伝統的工芸品)
production:
山田硝子
(東京都墨田区)
haku硝子
(東京都江東区)
平安時代から続く精巧な細工
寄木細工は、その名の通り、さまざまな種類の木材を組み合わせ、それぞれの色合いの違いを利用して模様を描く木工技術です。平安時代から継承されている技術で、実は世界中でその技術は伝えられてきています。中でも日本は、伝統的な建築手法を取り入れながらその技術を磨いてきました。
伝統的工芸品である箱根寄木細工の他に、建築端材を使って唯一無二の作品を作る職人も現れ、伝統を大切にしながら、新しい技法も取り入れ進化を続ける工芸品です。
●昭和59年指定/通商産業大臣指定伝統的工芸品(現・経済産業大臣指定伝統的工芸品)
production:
浜松屋
(神奈川県
足柄下郡箱根町)
Tata
(福井県越前市)
手仕事でしかなし得ない至高の一丁
私たちが紹介する包丁は、越前打刃物といって、1337年に、農民のために鎌を作ったことがその始まりとされています。
特徴は、『薄くて軽い、そして丈夫である』こと。日本古来の鋳造技術「手研ぎ」の手法を用いているだけでなく、越前打刃物ならではの手法を持ち合わせています。
また、食材を切る道具としてではなく、存在そのものが人々を魅了する、モノとしての美しさを兼ね備えています。
●昭和54年指定/越前打刃物 通商産業大臣指定伝統的工芸品(現・経済産業大臣指定伝統的工芸品)
production:
黒崎打刃物
(福井県越前市)